今月の臨床 生殖医療のトピックス
胚培養技術の進歩
沖津 摂
1
1三宅医院生殖医療部
pp.1394-1401
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102213
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はじめに
今日の生殖補助医療(assisted reproductive technologies : ART)における胚培養技術は,その黎明期である1980年前後と比較するとずいぶん進歩を遂げている.胚培養技術の進歩はヒト受精卵を体外で培養するためのより優れた培養液の開発をはじめとして培養方法の改善,培養装置(インキュベータ)や培養室環境の性能向上,胚を操作する専門職の確立と継続的育成,そしてより安全かつ安定した成果を出し続けるためのソフト面におけるシステム構築などに支えられて成し遂げられてきた.本稿ではこれら胚培養技術の進歩を支えてきたそれぞれの要素について,特に日本国内でARTが普及し始めた1980年代後半からつい最近までの変遷と今後の展開,解決すべき問題の提起をしていきたい.
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