今月の主題 アレルギー診療の実際
Editorial
アレルギー炎症の発症機序に基づく予防対策と治療方法
長屋 宏
1
1久我山病院アレルギー科
pp.168-171
発行日 2000年2月10日
Published Date 2000/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907329
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
●CD 4 T細胞は,IL-4の影響下でTH 2細胞に分化するとIL-4やIL-5を産生遊離してアレルギー炎症を起こす.
●CD 4 T細胞がIFN-γやIL-12の影響下で分化するとTH 1細胞となり,IL-2やIFN-γを産生して細胞性免疫に関与する.
●アレルゲンがT細胞の抗原レセプターと結合しても,T細胞表面のCD28分子と抗原提示細胞表面のB7分子の結合による第二のシグナルがないとT細胞は無反応状態になる.
●喘息患者がアレルゲンを吸入すると,マスト細胞から遊離されたヒスタミンの刺激で気道からIL-16が遊離され,アレルゲン非特異的にCD 4 T細胞を遊走,活性化して気道炎症を起こして気道過敏性を亢進させる.
●アレルゲンの回避と減感作療法によってTH 2細胞への分化,増殖の抑制とマスト細胞のヒスタミン遊離の抑制で,IL-16を介するCD 4 T細胞の活性化を抑えてアレルギー炎症悪化の悪循環を断つ.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.