演習 腹部CTの読みかた・7
上腹部痛で発症した51歳男性
斎藤 拓郎
1
,
岩田 美郎
1
1東海大学医学部放射線科
pp.169-177
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906653
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Case
51歳,男性.主訴:上腹部痛.
病歴:以前より胆石にて他院で経過観察されていた.昨日早朝より上腹部痛を覚えた.かかりつけの医院に朝夕2度受診するも痛みは改善しなかった.本日未明より背部痛も交じえた堪え難い痛みとなったため,本院救急外来を受診した.現症:バイタルサインは異常なし.腹部はやや膨満し,臍上部に筋性防御あり.Rebound tendernessも認められた.臨床検査所見:白血球 18,500/μl,血中Hb 18.6g/dl,血清amylase 2,930U/l,GOT 117U/l,GPT 191U/l,BUN 30mg/dl,Cr 1.0mg/dl.腹部超音波で胆嚢内に多数の結石あり.総胆管は直径9mmと拡張.肝内胆管の拡張はなし.肝周囲に腹水を認めるも,腹部は全体にガスが多くこれ以上の詳細な観察はできなかった.このためCTが撮影された.発症後約24時間である.
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