今月の主題 自己免疫性肝疾患のNew Wave
ようこそ自己免疫性肝疾患へ
原発性胆汁性肝硬変の診断と治療の基本
柴田 実
1
1昭和大学医学部第2内科
pp.20-24
発行日 1998年1月10日
Published Date 1998/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906616
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●PBCの診断は,胆道系酵素の上昇,AMA陽性および肝組織所見などによりなされる.AMA陰性例にっいては,ELISA法およびWestern blot法による抗M2抗体の検出,あるいはgp210抗体の検出,さらには他の疾患の除外により診断する.
●PBCはSjögren症候群,CREST症候群,リウマチ様関節炎,強皮症,慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患を合併する頻度が高く,これらの合併症はPBCの発見の契機となることがある.
●PBCの発症病理はなお完全には解明されていない.したがって原因療法はない.肝病変に対して効果が認められている唯一の治療薬剤はUDCAであり,ある程度予後を改善すると考えられている.欧米では進行例に対して肝移植が行われている.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.