病気のはなし
原発性胆汁性肝硬変
広石 和正
1
,
大森 里紗
1
,
井廻 道夫
1
1昭和大学医学部内科学講座消化器内科学
pp.248-252
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102768
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サマリー
原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis,PBC)は,中年以降の女性に好発し,慢性肝内胆汁うっ滞をきたす疾患である.血中に抗ミトコンドリア抗体が高頻度に検出され,肝病理組織像では慢性非化膿性破壊性胆管炎が認められることがこの疾患の特徴である.初発症状は皮膚掻痒感が多く,黄疸で発症する例もみられるが,多くは健診などで発見され無症状で経過する.胆汁酸製剤を用いた内科的治療が奏効するが,高度の黄疸例や食道静脈瘤合併例は肝不全に至ることがある.早期発見と適切な経過観察が必要である.
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