増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
免疫学的検査
感染症関連検査
微生物の抗原・抗体検査
真菌抗原・抗体
多田 尚人
1
,
網野 信行
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学
pp.560-561
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906469
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
深在性真菌症(カンジダ症,アスペルギルス症,クリプトコックス症など)は,immunocompromised hostにおける日和見感染症として,医療の高度化に伴い増加している疾患である.診断には検体からの真菌の細菌学的な分離同定がもちろん重要であるが,必ずしもその陽性率は高くなく,また結果に時間を要することも多い.
そこで,抗原または真菌由来の代謝産物を検出する方法が,感度および迅速性の点から注目されている.血中や髄液中に抗原が検出されれば,今そこに真菌が存在することを示唆する.一般に真菌抗原血症は一過性で,病初期に繰り返して検体採取するほうが陽性率が上がるといわれ,検体の採取時期は検出率に大きく影響する.
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