特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
内分泌学的検査
下垂体
ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
庄司 優
1
1明治薬科大学大学院薬学研究科薬効学
pp.316-318
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104778
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
副腎皮質刺激ホルモン(adrenocotricotropic hormone:ACTH)はアミノ酸39個からなるポリペプチドホルモンで,下垂体前葉ACTH細胞で前駆体として転写・翻訳され,酵素によりプロセシングを受けて分泌される.分泌されたACTHは副腎皮質のACTH受容体に結合し,コルチゾールの合成・分泌を促進する.メラニン色素の合成も刺激する.
血漿ACTH濃度は,ACTHの半減期が約10分と短く,下垂体前葉からの分泌を反映する.視床下部で産生されるCRH(corticotropin-releasing hormone:副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)とADH(anti-diuretic hormone:抗利尿ホルモン)により分泌が刺激され,コルチゾールにより抑制される.日内変動では早朝起床時に高く,就寝時に低い(乳幼児期には日内変動不明確).ストレスにも大きく影響される.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.