Japanese
English
特集 小児臨床検査2024
Ⅶ.血液生化学検査
3.脂質および関連物質 2)ビリルビン,血清総胆汁酸,尿中胆汁酸分画
Bilirubin, serum total bile acids, urinary bile acid analysis
津村 直弥
1
,
水落 建輝
1
Naoya Tsumura
1
,
Tatsuki Mizuochi
1
1久留米大学医学部小児科学講座
キーワード:
総ビリルビン
,
抱合型(直接)ビリルビン
,
血清総胆汁酸
,
尿中胆汁酸分析
,
新生児胆汁うっ滞症
Keyword:
総ビリルビン
,
抱合型(直接)ビリルビン
,
血清総胆汁酸
,
尿中胆汁酸分析
,
新生児胆汁うっ滞症
pp.208-210
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001918
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
Ⅰ.ビリルビン1)
1 検査意義と適応
体内で生成されるビリルビンの多くは,老廃赤血球のヘモグロビンに由来する。老廃赤血球は脾臓などの網内系組織で破壊され,ヘモグロビンがヘムとグロビンに分解される。ヘムからは,脂溶性である非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)が合成される。アルブミンと結合した非抱合型ビリルビンは,肝細胞でグルクロン酸抱合を受け,水溶性である抱合型ビリルビン(直接ビリルビン)が合成される。抱合型ビリルビンは,肝細胞の毛細胆管側膜に発現するmultidrug resistance-associated protein2(MRP2)により,胆汁の構成成分として毛細胆管を経由し十二指腸へと排泄され,類洞側膜に発現するMRP3とMRP4により血中から尿中へと排泄される。また,類洞側膜に発現するorganic anion transporting polypeptide 1B1(OATP1B1)とOATP1B3により,類洞から肝細胞へ再取り込みされる2)。腸管内に排泄された抱合型ビリルビンの約80%が糞便中へ排泄され,約20%は主に回腸末端から血中に再吸収されるが,大部分は再び胆汁として排泄される。このことを腸肝循環とよぶ。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.