日常検査とその限界
尿素窒素
奥田 稔
1
1順大臨床病理
pp.1022-1024
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203222
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検査の意義
尿素は生体の蛋白代謝の主な終末産物である.健康正常人で血中の非蛋白性窒素(NPN)のほぼ50%を占め,尿中に尿の総Nの80-90%にあたる尿素が毎日排泄されている1)2)3).
Krebs & Henseleit(1932)によって研究された肝の尿素サイクルは,今日ではその各代謝過程の機構が詳細に解明されている.図1に示されるようにアミノ酸の脱アミノによって生じたアンモニァは,CO2とともにカルバミルリン酸合成酵素の作用で(Mg++とN-acyl glutamateを助酵素とし,同時に2分子のATPが加水分解される)カルバミルリン酸にとり込まれ,サイクルに入る(NH2).尿素の他方のアミノ基(NH2)はアスパラギン酸よりシトルリンへ転移されたアミノ基に由来する.
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