増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液検査
凝固/線溶系検査
血小板凝集能
田上 憲次郎
1
1東京都臨床医学総合研究所・循環器病研究部
pp.175
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906296
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
光学的凝集計による凝集過程は,①膜表面の受容体によるアゴニストの受容,②その刺激の細胞内伝達および増幅,③膜蛋白GPIIb/IIIa(integrin αIIbβ3)の構造が活性化され初めてフィブリノゲンを結合しうるようになり,結合したフィブリノゲンがいわば細胞間の糊(paste)となり,血小板相互をくっ付ける,という3段階がこの順に進んで凝集となる.したがって凝集能の異常(圧倒的に低下が多い)をきたすメカニズムは,これらの3段階の先天性異常,稀ながら後天性の異常,あるいは薬物による阻害によって起こる.
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