Senior Course 血液
血小板凝集能
安永 幸二郎
1
1京大・第1内科
pp.444
発行日 1972年4月15日
Published Date 1972/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907598
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血小板が異物面に付着するのが粘着であるのに対し,血小板が相互に付着するのは凝集であって,いずれも血小板のきわめて重要な理学的機能に属する.止血血栓の形成にナマの血小板が必要なのは,これらの機能はナマの血小板でしか得られないからである.血小板の凝集能は粘着能と通常平行するものであるが,時には解離を示すこともあり,血小板機能を精細に調べる場合には両者は別々に測定することが望ましい.
血小板凝集能の測定には通常BornおよびO'Brienの方法に従って,多血小板血漿(PRP)に一定濃度のADPを加えて攪拌し,凝集によって生ずる光学密度の低下,すなわち透過性の増大をみることが行なわれる.この凝集の程度はPRPの血小板数,添加ADPの濃度,攪拌速度,測定温度など種々の条件によって左右される.
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