増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第6集
血液検査
凝固/線溶系検査
フィブリノゲン
村上 直己
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部血液検査科
pp.158
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906286
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
血管組織が破綻すると,血小板による一次止血とともに凝固系が発動される.凝固の最終段階においては,形成されたトロンビンの作用でフィブリノゲンからフィブリノペプチドA,フィブリノペプチドBが離れフィブリンモノマーになり,重合してフィブリンポリマーを形成する.さらにトロンビンによって活性化されたⅩⅢ因子が作用して不溶性フィブリンとなり,強固なフィブリン血栓が形成され凝固機序は終了する.一方線溶亢進状態では,プラスミンの作用でⅤ・Ⅷ・ⅩⅢ因子とともにフィブリノゲンも分解を受ける.測定は,トロンビン添加による凝固時間を応用したトロンビン時間法が広く用いられる.
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