増大号 検査血液学レッスン 検査結果の乖離をどう判断するか
4章 凝固
—フィブリノゲンの偽低値—フィブリノゲン分子異常
鈴木 敦夫
1
1名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門
キーワード:
Clauss法
,
異常フィブリノゲン血症
,
凝固波形解析
,
CWA
Keyword:
Clauss法
,
異常フィブリノゲン血症
,
凝固波形解析
,
CWA
pp.1240-1243
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203145
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フィブリノゲン分子異常に起因する“乖離”
フィブリノゲン分子異常は,遺伝子異常に起因する先天性異常症と,産生臓器である肝臓の異常に起因する後天性異常症に区分される.両者とも比較的まれな疾患であるが,前者については約半数が無症候性であり,把握されている患者数以上に潜在的な患者数が一定数存在していると考えられている.しかし,日常検査ではみつかりにくいことも相まって,はっきりとした有病率が把握できていない.
2022年現在,日常検査としてほとんどの施設で採用されているフィブリノゲン検査法はClauss法と呼ばれる測定手法である.本稿では,フィブリノゲンの分子異常がもたらすフィブリノゲン測定における乖離現象を解説する.
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