増刊号 臨床血液検査
II.止血機能検査
2.検査の実際と症例の解釈
2)凝固検査
A.検査法
(1)活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)
髙宮 脩
1
1信州大学医療技術短期大学部
pp.187-190
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906511
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
部分トロンボプラスチン時間(partial thromboplastin time;PTT)は,血友病のスクリーニング検査としてLangdell1)によって考案された.組織トロンボプラスチン(脂質蛋白質)を用いて外因系凝固を測定するプロトロンビン時間(prothrombin time;PT)を完全トロンボプラスチン時間,これに対して組織トロンボプラスチンのクロロホルムやエーテル抽出物(リン脂質:粗製セファリン)を用いて内因系凝固を測定する方法をPTTと称した.その後,Proctor2)らにより,PTTの測定値の安定性を向上させるためにカオリンを加えたカオリン加活性部分トロンボプラスチン時間(KPTT)が開発された.同様の目的でセライトやエラジン酸などの活性化剤を加えたものを含めて,活性化部分トロンボプラスチン時間(activated PTT;APTT)と総称する.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.