今月の主題 ドライケミストリー
技術解説
尿のドライケミストリーによる検査
中 恵一
1
,
肥塚 卓三
2
Keiichi NAKA
1
,
Takuzou KOEZUKA
2
1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室
2大阪市立大学医学部附属病院中央検査室
pp.1553-1559
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913528
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尿を試料とするドライケミストリーはブドウ糖に始まり,今日もこれがもっとも頻度高く利用されている,その技術は今日の臨床検査分野におけるドライケミストリーの端緒となった試験紙法である.反応に必要な試薬は濾紙を構成するセルロースファイバー空間内に乾固されて固定され,長期間安定で試薬秤量も不要であるし,検体も秤量する必要はない,一方,検体の添加という一回限りの操作に限定されるため,ドライケミストリーの発達史はその試薬のくふう,反応原理の考案の歴史である.今日,pH,蛋白,ブドウ糖,潜血,ウロビリノーゲン,ビリルビン,ケトン体,細菌,白血球,アスコルビン酸,塩化物,HCGなど日常に用いられている項目でも10を優に超える.反射率測定法の導入により半定量から定量へと移行し,尿のドライケミストリーはさらに発達し続けている.
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