演習 胸部X線写真の読み方—心疾患篇・2
心雑音と心肥大を認め自覚症状のない31歳の男性
大瀧 誠
1
1東海大学医学部放射線科
pp.865-870
発行日 1999年5月10日
Published Date 1999/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906045
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Case
症例:31歳,男性.主訴と経過:生下時より心疾患を指摘されていたが,手術は拒否してきた.最近の検診で心雑音と心肥大を指摘され,手術適応の評価のために検査入院となった.これまでに呼吸困難,心悸亢進,胸痛を認めたことはなく,今回も明らかな自覚症状はない.
入院時現症:胸骨左縁第2肋間に4度の収縮期雑音を聴取し,2音は固定性に分裂している.貧血,黄疸,チアノーゼは認めない.心電図では不完全右脚ブロックを示す.入院時の検査として胸部単純X線写真が撮影された(図1a,b).
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