今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?
新生児でよく見る症状とその対応
心雑音
与田 仁志
1
,
水書 教雄
1
1東邦大学医学部新生児学講座
pp.810-815
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210122
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●心雑音の出現時期 : 新生児期には肺血管抵抗が急激に低下することで,欠損孔を通過する左右短絡血流に乱流が発生し,初めて心雑音として聴取される.そのため,心室中隔欠損でも出生当日や翌日には心雑音は聴取されにくく,数日〜1週間経過してから聴取されることを知っておく.
●心雑音以外の観察ポイント : チアノーゼや呼吸障害(多呼吸,陥没呼吸など),哺乳不良,肝腫大,末梢循環不全,脈触知不良などが観察すべき項目である.
●心雑音の聞こえない心疾患 : 心雑音では発見できない重篤な心疾患がある.心雑音以外の心徴候,すなわちチアノーゼ,呼吸異常,哺乳困難などで心疾患を疑うことは可能である.しかし,聴診上gallop(ギャロップ)音(異常なⅢ音,Ⅳ音)やⅡ音の亢進などの心音異常で判別できることがある.
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