増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
消化器疾患治療薬
緩下剤
ラキソベロン(帝人)
小林 清典
1
1北里大学東病院消化器内科
pp.129-130
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905484
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臨床薬理
●作用機序:本剤の主薬であるピコスルファートナトリウムは,胃・小腸では分解されず,大腸においてはじめて,大腸細菌叢由来の酵素(アリルスルファターゼ)の働きにより加水分解されて,活性型ジフェノール体となる.活性型ジフェノール体は,大腸の蠕動運動亢進作用および水分吸収阻害作用を示し,下剤としての作用を発揮する.
●体内動態と血中濃度モニタリング:経口的に投与された本剤は,大腸で活性型ジフェノール体となり,大部分は糞便とともに排泄される.また,一部は吸収され,肝臓でグルクロン酸抱合を受け,尿中または胆汁中に排泄される.なお,本剤の通常使用量(5〜15mg)での血中濃度は,いずれも測定限界値(0.5μg/ml)以下であり,検出することができないとされている.本剤は蓄積性もないことより,血中濃度をモニタリングする必要はない.
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