増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
消化器疾患治療薬
その他の消化性潰瘍・胃炎治療薬
コランチル(塩野義)
早川 滉
1
1長崎原爆病院内科
pp.108
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905466
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臨床薬理
●作用機序:【鎮痙作用】塩酸ジシクロベリンは,消化管の副交感神経末梢を遮断して平滑筋を弛緩させるアトロピン様作用と,平滑筋に直接に作用して弛緩させるパパベリン様作用との二重の鎮痙作用を有する.【制酸作用】酸化マグネシウムの制酸作用は速やかであり,他方,乾燥水酸化アルミニウムゲルの制酸作用は持続時間が長い.FUCHSの変法(in vitro)による制酸力試験で,本剤は0.1Nの塩酸溶液中で速やかに反応し,pH7.0〜8.0の高いpHまで急速に上昇する.以後は下降し,pH4付近を持続する.
●血中濃度モニタリング:本剤中の塩酸ジシクロベリンは,経口投与後速やかに吸収され,投与1〜2時間後に平均最高濃度を示す.主として尿中に排泄され,7日間連続経口投与時(健常成人)の尿中排泄率は79.5%である.
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