増刊号 Common Drugs 350の投与戦略
腎疾患治療薬
副腎皮質ステロイド(腎炎・ネフローゼ治療薬)
プレドニン(塩野義)
槇野 博史
1
,
弘中 一江
1
1岡山大学医学部第3内科
pp.390-392
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905667
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臨床薬理
●作用機序:副腎皮質ステロイド薬のプレドニゾロンは,全身の諸臓器の細胞質に存在するステロイド受容体のスーパーファミリーに属するグルココルチコイド受容体(GR)に結合することにより,その作用を発揮する.プレドニゾロンと結合後,GRは活性型GRとなり,核内に移行して,標的遺伝子に作用して標的遺伝子の転写活性を調節することによって多彩な作用を発揮するとともに,重篤な副作用ももたらす.
ステロイド薬は,少量投与では抗炎症作用を示し,最近の知見によると,①IL−1,TNF,GM—CSF,IL−3,IL−4,IL−5,IL−6,IL−8などの各種サイトカインの産生抑制によるものと考えられている.その他としては,②プロスタグランジンおよびその近縁物質の生成を抑制,③線維芽細胞および血管内皮細胞の反応性の低下・接着因子の減少,④一酸化窒素の産生抑制などの機序が考えられている.
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