今月の主題 炎症性腸疾患治療のジャイアント・ステップス
治療の前に知っておきたいIBDの基礎知識
IBDの経過と予後
神長 憲宏
1
,
佐竹 儀治
1
1昭和大学藤が丘病院消化器内科
pp.1451-1453
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905209
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ポイント
●潰瘍性大腸炎では大部分の症例が薬物療法に反応し,長期的な予後は良好である.
●潰瘍性大腸炎における慢性持続型,頻回に再燃する再燃緩解型は手術となることが多い.
●潰瘍性大腸炎の直腸炎型,左側結腸炎型では口側へ進展する例がある.
●潰瘍性大腸炎の若年発症,全大腸炎型,慢性持続型で10年以上の経過を有する例で癌化率が高い.
●クローン病では,完全静脈栄養療法や成分栄養療法を行えば,ほとんどの症例が4週以内に緩解となるが,栄養療法を中止すると大部分の症例が2年以内で再燃をきたす.
●クローン病の炎症の活動度は,発症からの経過期間が長くなるに従って低下する.
●クローン病の累積手術率は経年的に増加を示し,発症後15年で約50%である.
●クローン病の術後の再燃もほぼ全例で認め,再手術率も40〜50%と高い.
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