今月の主題 心筋梗塞のハイライト
発症
不安定狭心症の経過と予後
土師 一夫
1
Kazuo Hase
1
1国立循環器病センター・内科心臓部門
pp.16-17
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218097
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不安定狭心症(UA)は急性冠不全,切迫梗塞などと同様に旧WHO基準の中間型に含まれる虚血性心疾患の一病型として提案されたが,最近は安定狭心症(SA)と狭心症を2分する病型として広く用いられている.UAは狭心発作が初発するか重症化し,急性心筋梗塞症(AMI)発症の危険が大きい狭心症と考えられる.しかし,諸家により診断基準が異なることや,含まれる症例の病態が均一ではないことなどにより,UAの経過と予後は各報告で差がある.SAの定義が明確ではなく,UAの診断基準に合致しない狭心症がすべて臨床的に安定しているわけではないことも,UAの予後を調査するときに考慮されるべきである.
本稿ではUAの診断を現在日本で最も繁用されている米国心臓学会の基準1)(表)に従い,UAとUAではない狭心症(仮に非不安定狭心症NUA)との対比下に,自験例のUAの経過と予後について概略する.
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