今月の主題 皮膚科から内科医へのアドバイス
内科医が知っておきたい皮膚疾患
成人型アトピー性皮膚炎
今山 修平
1
1九州大学医学部皮膚科
pp.683-685
発行日 1996年4月10日
Published Date 1996/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905047
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ポイント
●近年,アトピー性皮膚炎は成人にも多く,難治患者の多くは青壮年の男女である.
●患者には,従来ならば小児期までに軽快していたはずのものが成人になっても存続している例と,成人の初発例とがある.
●成人患者では顔面はほぼ必発.頸・躯幹・上肢・手を中心に広範囲に紅斑病変をきたし,時には全身の紅皮症となる.また,様々の程度に色素沈着を伴う.
●全例に共通する異常は激烈な痒みと掻爬行為,結果としての皮膚病変(紅斑,湿疹,痒疹など)の形成が特徴である.
●稀ではあるが,初期の菌状息肉症は最も重要な鑑別疾患である.
●白内障と網膜剥離の予防のために定期的に眼科を紹介し,また急な増悪時には皮膚科へ紹介する.
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