増刊号 Common Disease 200の治療戦略
皮膚疾患
アトピー性皮膚炎
今山 修平
1
1九州大学医学部皮膚科
pp.589-591
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904217
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疾患概念と病態
軽微な刺激により皮膚に強い痒みを生じ,(反射としての)掻爬により皮膚が損傷され,そこからの抗原や細菌などの侵入により湿疹病変が形成されては,さらに痒みが増悪するという悪循環をきたした状態と考えられる.すなわち,本症の発現には皮膚の機能異常と,(食事を含めた環境抗原に対する)アレルギーの双方(図1)が関与しており,個々の患者ごとに主たる要因が異なることから,その臨床像は多彩である.
皮膚病変には,IgE,肥満細胞,好酸球を介した即時型反応(および引き続いて起こるlate phasereaction)が主に関与するびまん性の紅斑病変と,遅延型反応によると思われる限局性の丘疹・結節(痒疹)とが混在する1).
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