今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の診断
HCV関連検査を日常診療でどのように使い分けるか
吉澤 要
1
,
田中 栄司
1
,
清澤 研道
1
1信州大学医学部第2内科
pp.452-454
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904989
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ポイント
●C型肝炎ウイルス(HCV)感染の診断には血清学的および遺伝子学的方法を用いる.
●血清学的診断は,HCV遺伝子の非構造領域やコア領域に対応したペプチドを抗原とした抗体測定で,現在はこれらのペプチドを組み合わせた第二世代あるいは第三世代HCV抗体測定系が開発され,C型慢性肝疾患の95%以上は診断可能である.
●遺伝子学的診断はHCVの存在診断として,HCV遺伝子をRT-PCR法(HCV RNAPCR定性)で検出する方法で,HCV抗体産生前のC型急性肝炎初期,抗体陰性の慢性例の診断,肝機能正常者でのHCV感染の既往とキャリアの鑑別,IFN治療の効果判定に有用である.
●bDNAプローブ法やHCVの遺伝子型の判定はIFN治療における効果予測に有用である.
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