今月の主題 臨床医のための遺伝子工学
遺伝子工学の臨床への応用
疾患解析への応用
呼吸器疾患
菊地 利明
1
,
貫和 敏博
1
1東北大学加齢医学研究所呼吸器腫瘍研究分野
キーワード:
エラスターゼ・アンチエラスターゼ不均衡説
Keyword:
エラスターゼ・アンチエラスターゼ不均衡説
pp.2142-2144
発行日 1997年11月10日
Published Date 1997/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904809
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近年種々の疾患について,その原因遺伝子の発見がなされているが,こと呼吸器疾患に限ってみると,その責任遺伝子がわかっている単一遺伝子病は,α1アンチトリプシン(α1 AT)欠損症とcysticfibrosis(嚢胞性線維症)のみである.肺癌,気管支喘息,気管支拡張症,サルコイドーシス,および原発性肺高血圧症の一部に遺伝性が考えられているものの,その遺伝の本体は不明である(気管支喘息の責任遺伝子が発見されたという情報があるが,まだ論文発表はされていない).そこで本稿では,一般的な肺気腫の病態の理解に重要なα1 AT欠損症について述べることにする.
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