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特集 整形外科医が知るべきスポーツ内科学
アスリートにおける呼吸器疾患
Respiratory problems in athletes
渡部 厚一
1
Koichi WATANABE
1
1国立大学法人 筑波大学,体育系
キーワード:
Upper respiratory tract infection
,
Bronchial asthma
,
Hyperventilation syndrome
Keyword:
Upper respiratory tract infection
,
Bronchial asthma
,
Hyperventilation syndrome
pp.17-24
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000001146
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要旨:呼吸器疾患は普段のトレーニングでも競技会でも頻繁に認められ,運動中の呼吸器症状が病的なものとして自覚されにくい場合もある。気管支喘息はアスリートの10%程度に認められ,運動誘発喘息も含めた有病率はさらに高い。治療薬のβ作用薬と糖質コルチコイドはドーピング禁止物質であり,アンチ・ドーピング手続きに留意する。呼吸器感染症では手洗い,ワクチン接種などの予防策と,適切なトレーニング量調整が重要である。感染力が強い麻疹やインフルエンザがチーム内や国際総合スポーツ大会で拡大すると,チームパフォーマンス低下や世界的流行の懸念につながる。過換気症候群は器質的疾患の除外が必要なため,スポーツ現場で対応に難渋する場合がある。気胸や縦隔気腫は突然の胸痛と呼吸困難感を伴い,緊張性の場合は救急処置を要する。
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