今月の主題 肺炎と肺臓炎
肺炎の治療に困ったら
治療に反応しない肺炎患者へのアプローチ
山口 哲生
1
1JR東京総合病院呼吸器内科
pp.1937-1941
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904731
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●院内肺炎の広範な重症例には,第3世代セフェム+CLDM(またはアミノグリコシド)に,ソル・メドロール®を数日併用する.
●マイコプラズマ肺炎の流行は,4年に一度の周期がなくなってきている.
●オウム病の発病時は,インフルエンザ様の突然の発熱や頭痛など,呼吸器症状を呈さないものが多く,時に肺炎が見逃されることがある.
●Chlamydia pneumoniaeによる肺炎が多いことがわかってきた.普通,軽症である.一般ラボでは血清学的証明はできない.
●レジオネラ肺炎は夏季に空調のクーリングタワーで菌が増殖して集団発生することがある.また,温泉帰りの発病も多い.
●真菌性肺炎は普通,日和見感染として起こるが,例外もある.β-(D)-グルカンの上昇が診断の傍証になる.
●マイコプラズマ肺炎,クラミジア肺炎,レジオネラ肺炎,真菌性肺炎,抗酸菌性肺炎では,発熱のわりには白血球数の増加がないか乏しい特徴がある.一般抗生物質が無効のときに,これらの肺炎をまず考えるべきである.
●BOOP,好酸球性肺炎,過敏性肺炎,細気管支肺胞上皮癌,肺胞蛋白症なども一般肺炎と間違われることがある.
●急性好酸球性肺炎では,初期には末梢血好酸球の増多はない.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.