今月の主題 肺炎と肺臓炎
特殊な感染症が鑑別にあげられるとき
非定型抗酸菌症の診断と治療
斎藤 武文
1
,
大瀬 寛高
2
,
長谷川 鎮雄
3
1国立療養所晴嵐荘病院内科
2茨城県立医療大学内科
3筑波大学臨床医学系呼吸器内科
pp.1934-1936
発行日 1997年10月10日
Published Date 1997/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904730
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ポイント
●非定型抗酸菌症は増加傾向にある.
●非定型抗酸菌は環境常在菌であり,健常人からの偶然の排菌,局所抵抗減弱部位のコロニゼーションがある.
●非定型抗酸菌症は健常肺に発症する一次感染型と,既存肺病変を基に発症する二次感染型がある.
●非定型抗酸菌症の診断基準により診断できるのは,ある程度進行した病態であり,早期病変の診断には役立たない.
●MAC症は有効な治療がなされなければ大部分が漸次悪化する.
●MAC症の病巣が限局性で年齢,肺機能などが問題ない場合は,手術を考慮すべきである.
●MAC症は,RFP,EB,SMまたはKM,クラリスロマイシンなどから3剤以上を併用することにより,半数以上の症例で菌陰性化する.
●M. kansasii症の治療は,INH,RFP,EBまたはSMのうちRFPを含む3剤,1年間の投与で十分である.
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