今月の主題 日常臨床にみる水・電解質と酸塩基平衡
水・電解質,酸塩基平衡異常における最近のトピックス
水・電解質,酸塩基平衡調節機構の遺伝子解析
鈴木 誠
1
1自治医科大学薬理学
pp.930-934
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904519
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われわれの体が様々な食事摂取に対応し,尿中電解質を変化させ体液の恒常性を維持できるのは,input→hormone→outputの標的分子の機能が変わることで,inputの変化に対応したoutputが得られるためである.Na摂取の変化はアルドステロンや心房性Na利尿ホルモンを介し,最終標的分子であるアミロライド感受性Naチャネルを変えるといえる.K摂取の最終標的分子はおそらくKir 1.1であり,尿の濃縮はAQP 2である.本稿では,これらの分子の基本構造を概説し,さらに病気とのかかわり合いについて言及する.図1には尿細管の部位(C1チャネルはまだ明らかではない)と分子の分布を,図2には分子の模式図を示してある.
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