今月の主題 高血圧の治療—新しい時代を迎えて
セミナー・病態と降圧薬
インスリン抵抗性と肥満
久代 登志男
1
,
飯田 慎一郎
1
,
上松瀬 勝男
2
1駿河台日本大学病院循環器科
2日本大学医学部第2内科
pp.722-725
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904469
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ポイント
●インスリンは糖代謝以外にナトリウム代謝,交感神経機能,細胞増殖,脂質代謝に重要な役割を果たしている.
●インスリン抵抗性と代償性高インスリン血症に伴うそれらの作用異常が,高血圧,動脈硬化に関連すると考えられる.
●肥満はインスリン抵抗性,脂質代謝異常,交感神経機能亢進を伴うことが多く,高血圧と左室肥大を伴う頻度が高い.
●降圧療法によりインスリン抵抗性,脂質代謝異常,交感神経機能亢進を悪化させるべきでなく,減量,運動療法が重要である.
●降圧薬はACE阻害薬,α1遮断薬,長時間作用型Ca拮抗薬,および少量の利尿薬が勧められる.
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