増刊号 Common Disease 200の治療戦略
皮膚疾患
手湿疹
松永 佳世子
1
1藤田保健衛生大学医学部皮膚科
pp.592-593
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904219
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疾患概念と病態
手は日常さまざまな物に接触するため,最も皮膚炎を発症しやすい部位である.主婦に発生する皮膚炎は仕事を中止することが困難なために難治で,主婦湿疹と呼ばれている.利き手の第1,2,3指に始まる異常乾燥,落屑,潮紅,ついで硬化する乾燥型(進行性指掌角皮症)と,指腹手掌から指背に及ぶ痒い紅斑,丘疹,小水疱を認める湿潤型とがある.手・指の皮膚炎はアトピー性皮膚炎などの素因のあるものに好発する.また,職業による接触皮膚炎としての手湿疹も難治なものが多く,原因として職業上接する物質の刺激やアレルギーによる.手湿疹はアトピー素因(アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,喘息を合併ないしは家族歴にもつ)を有する症例に頻度が高い.
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