増刊号 Common Disease 200の治療戦略
感染症
カンジダ感染症
和田 光一
1
,
石塚 康夫
1
,
瀬賀 弘行
1
,
荒川 正昭
1
1新潟大学医学部第2内科
pp.540-542
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904197
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
疾患概念と病態
真菌による感染は,生体の感染防御能が低下したときに起こる.真菌のなかでカンジダは,ヒトの消化管に常在するため,感染症を起こす頻度が高い.
一方,近年,血管留置カテーテルの普及とともに皮膚に常在しているカンジダによる真菌血症が増加している.一般に,血液培養でカンジダを検出すると,侵襲性カンジダ症と考えることが多いが,カンジダ菌血症と侵襲性カンジダ症は異なっていることが多い.筆者らの施設では,菌血症の剖検例63例のうち27例で真菌による臓器感染を認めているが,カンジダ菌血症による剖検例6例では深在性真菌症は全く認めていない1).カンジダ菌血症は,必ずしも感染防御能が低下していなくても,感染経路の問題で発症することも多い.本稿では,これらのカンジダ感染症および消化管カンジダ症の治療について述べる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.