“ホッ”とspot
気管支喘息診療のpitfall
兼松 隆志
1
1慈恵病院内科
pp.536
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904195
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呼吸器外来の主要疾患の一つである気管支喘息診療のpitfallとして自験例2症例を報告します.
症例1は,1989年に淀川キリスト教病院勤務時の症例で,31歳の女性.喘鳴と微熱を主訴とし,同院の一般内科で約4カ月間,気管支喘息と気管支炎で通院治療を受けていたが,増悪したため入院.筆者が主治医となった.胸部の聴診上,確かに両肺野にdry raleを聴取したが,胸部単純写真上,肺野は正常,しかし左主気管支に全長にわたる狭窄を疑い,断層写真を撮ったところ,同部位に著明な狭窄を認めた.気管支鏡では,気管分岐部から左主気管支にかけ,発赤,浮腫,狭窄,白苔著明で,気管吸引液から多数の抗酸菌を検出した。その後,14ヵ月間でさらに2例,やはり左主気管支の気管支結核を経験し,第36回日本胸部疾患学会近畿地方会で報告した.文献上,気管支結核は咳症状出現後確定診断に至るまで6〜9カ月の長期を要していた.
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