増刊号 Common Disease 200の治療戦略
腎・尿路疾患
膀胱尿道結石
大石 幸彦
1
,
後藤 博一
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.499-501
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904176
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疾患概念と病態
1.発生と原因
膀胱結石の発生は原発性と続発性に分類される.前者は膀胱内,後者は上部尿路に発生した結石である.尿道結石の大多数は膀胱から下降し嵌頓した結石で,尿道狭窄や尿道憩室に合併して発生する結石も稀にある.
膀胱結石は先進地域より発展途上地域に多く,往昔より近代では少ない.膀胱結石は上部尿路結石より発生頻度は少なく,高齢者で多く,小児で少ない.性別では地域,年代とにかかわらず男子に多い.膀胱結石が男子に多い理由として,男子では前立腺肥大症,尿道狭窄などにより尿停滞をきたし,結石が形成されやすく,結石が排出されにくいことが挙げられる.一方,女子では尿道の走行は直線的で太く,短く,拡張性に富み,結石は自然に排出されやすいが,逆に尿道が短く,経尿道的に異物を入れやすい.また,婦人科手術により膀胱周囲の結紮糸などの異物が膀胱内に入りやすく,異物を核とした結石形成が多い.
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