特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
6 尿路結石および結石関連疾患
下部尿路結石
078 膀胱結石・尿道結石
宮澤 克人
1
,
鈴木 孝治
1
1金沢医科大学泌尿器科学
pp.227-228
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103147
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1 診療の概要
膀胱・尿道結石は全尿路結石の約5%を占め,下部尿路結石の大部分を占める。50歳以上の高齢者に多く,男女比は約3:1で男性に多い。膀胱結石は,①膀胱内で形成される,②上部尿路(腎・尿管)結石が下降することにより発生する。膀胱で形成される結石は残尿を生じる排尿障害(前立腺肥大症,前立腺癌,神経因性膀胱など),尿路感染症,尿道留置カテーテルなどが原因となる(表1)。結石成分はリン酸マグネシウムアンモニウム(感染性結石),尿酸(非感染性結石)が多い。膀胱結石は難治性・再発性尿路感染症の原因疾患となる。
症状は排尿時痛,頻尿,残尿感,血尿などの膀胱炎様症状や排尿困難などで,時に排尿痛が陰茎に放散する。結石が膀胱頸部を閉塞し尿線の中断,尿閉をきたすことがある。尿道結石では尿線の中絶,尿の滴下状失禁がみられる。後部尿道では会陰部や直腸に,前部尿道では陰茎,亀頭部へ放散する。また,前部尿道に存在する場合,結石を触知できる。
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