書評
—霞富士雄・大川智彦・坂元吾偉編—乳房温存療法
阿部 光幸
1,2
1国立京都病院
2京都大学
pp.440
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904153
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がんが不治の病であった時代には,大きな侵襲を伴う治療も,命が助かれば幸いとして受け入れられた.しかし,がん全体の治癒率が50%近くになった今日では,がんの治療は単に治癒率だけでなく,治癒の質が問われる時代になったといえよう.このことは乳癌についても例外ではなく,それどころか乳癌患者のQOLはますます重要な課題となりつつある.
乳癌の治療法は時代により大きな変遷がある.初期の腫瘍摘除術から乳房切除術,拡大乳房切除術へと向かったが,近年は胸筋を温存する非定型乳房切除術と縮小手術に戻り,最近は,腫瘍部を切除して温存乳房に放射線治療を行う乳房温存療法が世界的に行われるようになった.
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