書評
—大川 智彦(東京女子医科大学助教授)池田 道雄(東京女子医科大学教授)—臨床腫瘍学からみたがんの放射線治療
重松 康
1
1大阪大学放射線医学教室
pp.955
発行日 1983年10月1日
Published Date 1983/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205195
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放射線治療に関する教科書は技術中心のものと腫瘍系中心のものとに大別されるが,今回,大川・池田両氏によって出版されたこの書は,その後音に属する典型的なものである。
全体は3部で構成され,Part1では疫学的背景と放射線治療の物理生物学的基本を,Part2では臓器別各論を,Part3では癌性疼痛や高齢者層患者の取扱いなど,臨床の第一線で問題となる幾つかを取上げているが,全体の80%以上の頁数は臓器別各論で占められている。—貫して,図表による説明を主とし,臓器症例に,解剖,病理,TNM,治療指針,予後の順に簡潔に現時点におけるがんの取り扱い方を述べ,その中での放射線治療の役割を浮び上らせている。
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