増刊号 Common Disease 200の治療戦略
内分泌疾患
高カルシウム血症
竹田 秀
1
,
松本 俊夫
1
1東京大学医学部第4内科(分院)
pp.402-403
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904136
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疾患概念と病態
高カルシウム(Ca)血症は様々な病態によりもたらされるが,原因疾患の大部分は悪性腫瘍に伴うものと,原発性副甲状腺機能亢進症である(表1).血清Ca濃度は副甲状腺ホルモン(PTH),活性型ビタミンDといったCa調節ホルモンにより,腸管からの吸収,骨での出入り,腎尿細管での再吸収の各段階で厳密に調節されている.そのなかで,悪性腫瘍に伴う高Ca血症や原発性副甲状腺機能亢進症では,骨吸収の亢進による骨からのCa動員が高Ca血症の主な発現機序となっている.一方,ビタミンD作用過剰症では,腸管からのCa吸収亢進が病態の中心である.
一般に,高Ca血症では,尿濃縮力が低下することで高度の脱水状態にある.その結果,さらに高Ca血症が増悪してクリーゼに至ることもある.
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