書評
—永井純編著—腹部単純X線診断 第4版
川原田 嘉文
1
1三重大学医学部第1外科
pp.315
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904098
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近年の画像診断機器の進歩は著しいものがあり,US,CT,MRIなどにより疾患の早期診断,治療の向上に大いに貢献してきています.しかしながら,以前に比べ腹部単純X線写真の有用性はいささか軽視されがちであるような気がしますが,臨床の場で最も必要で,数多く目にするのは,依然これら腹部単純X線写真であることに変わりはありません.さらに急性腹症などで患者の一般状態が不良な場合,十分な時間をかけて種々の検査法を駆使することはできず,最小限の検査で治療方針を立てなければならない状況に遭遇することがしばしばあります.その際,単純X線写真は必須の検査であり,それよりいかに多くの情報を得るかはその読影力に頼るしかないのです.
筆者は米国にて6年余の間,レジデントとして研修を積んだ時期がありましたが,その際,いろいろな専門家が一堂に会して1つのテーマについて議論する合同カンファレンスなどにおいて,画像診断の読影力の重要性を痛感したものでした.
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