書評
—佐藤達夫訳—ペルンコップ臨床局所解剖学アトラス 第3版 第1巻 頭部・頸部
児玉 公道
1
1熊本大学医学部解剖学第1講座
pp.293
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904087
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本書はWemer Platzer編集“Pemkopf Anatomie,Atlas der topographischen und angewandten Anatomie des Mensdhen”第3版(全2巻)の日本語版「第1巻頭部・頸部」である.第1版は小川鼎三,石川浩一両氏が,第2版では佐藤達夫氏が加わり,今回は佐藤達夫氏が単独で本書の歴史を引き継いだ.各版はそれぞれ異なった特徴を持っているとはいえ,原著は1937年から1960年にかけて刊行されたEduard Pernkopfの名著“Topographischen Anatomie des Menschen”に求められる.全4巻7冊からなる大著は20世紀の代表的な古典であるが,今日でもわれわれ解剖学者を圧倒するばかりでなく,臨床医家の最も頼りになる局所解剖学書の1つである.“書物にも運命がある”と言われるように,軽く視覚に訴える現代の歴史的背景のもとでも,本書の存在価値は決して損なわれることはない.否,むしろ臨床局所的に人体を捉らえることが一層求められている現代,本書の価値は一層輝きを増している.では本書が今日でも己の運命を世に問うことができる根拠は何か.
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