増刊号 これだけは知っておきたいX線写真読影のポイント
腹部X線写真の読み方
腹部の単純X線解剖
中塚 誠之
1
1東京都立大久保病院診療放射線科
pp.242-245
発行日 1993年9月30日
Published Date 1993/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902348
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はじめに
腹部単純X線写真に描出されている正常解剖を理解することはさほど困難なことではないが,異常所見を読影する際にはより深い解剖の理解が必要となる.
本稿では,腹部単純X線写真の解剖の把握にとどまらず,異常所見を解釈する上で必要となる解剖学的事項が理解できるよう書きすすめる.
腹部単純X線写真で写し出されているものは,胸椎・腰椎・仙椎を含めた骨格器,腹膜腔,腹膜外腔,ガスを内包した消化管および臓器陰影である.これらの構造が,ガス,脂肪,それに液体を含めた軟部組織陰影および石灰化影のコントラストを手がかりとして判別可能となる.なお,骨格器の解剖につつては他の項目に譲る.
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