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造影剤による中毒性腎症にご用心
島田 薫
1
1新八柱台病院内科
pp.242
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904064
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経静脈的に造影剤を使用する検査はアナフィラキシーに注意をすれば,一般的には問題のないことが多いとされている.しかし,検査後に重大な問題を起こすこともある.
症例1:66歳,女性.原疾患はインスリン非依存型糖尿病(NIDDM),糖尿病(DM)歴10余年で,食事療法をしていたが,コントロールは不十分であった.DM腎症については,微量アルブミン尿の出現は認められていたが,尿素窒素,クレアチニンは正常域であった.下血を契機とし,S状結腸に癌がみつかり,根治手術が予定された.術前検査として,連日DIP(drip infusion pyelography),腹部造影CTを施行したところ,その3日後に乏尿となった.血液透析など集中治療するも,急性腎不全は回復せず,多臓器不全(MOF)となり死亡された.
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