増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
急性肝炎
永井 孝三
1
,
上杉 成人
1
,
賀古 眞
1
1帝京大学溝口病院第4内科
pp.171-173
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904030
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疾患概念と病態
急性肝炎は肝親和性ウイルス感染に基づく肝細胞破壊によるもので,多くは一過性であり,原因ウイルスの排除とともにself limitedな良好な経過を示す.しかしながら一部に,初期の肝細胞破壊が高度で劇症化する例,ウイルス排除が不完全で慢性肝炎に移行する例がみられ,時に腎障害,造血障害など肝外合併症も認められ,治療的戦略として注目すべきはこの点にある.これら病型,予後は起因ウイルスにより違いがあり,病因診断を確実にするとともに,特に急性期の重症度判定を念頭におき治療にあたるべきである.
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