今月の主題 脳卒中
脳卒中急性期の診断・治療の新展開
脳梗塞の成因に関する話題・2—抗リン脂質抗体と脳卒中
北川 泰久
1
1東海大学大磯病院神経内科
pp.2244-2246
発行日 1995年11月10日
Published Date 1995/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903945
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●抗リン脂質抗体のうち血栓症との関連が明らかにされているのはlupus anticoagulantと抗カルジオリピン抗体である.
●抗カルジオリピン抗体はELISA法によるほか,β2-glycoprotein Iの測定も行う.
●本抗体陽性でみられる動脈系の血栓症は脳梗塞が最も多い.
●本抗体陽性脳梗塞は若年発症が多く,病変は多発性で,再発が多く,予後不良のことが多い.
●抗カルジオリピン抗体は脳梗塞の独立したリスクファクター,再発のマーカーとなりうる可能性がある.
●血栓発症のメカニズムはまだ定説がなく,治療法もまだ確立されていない.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.