今月の主題 高齢者医療の新しい視点
高齢者によく見られる疾患の診断・治療上の問題点
消化性潰瘍と消化管出血
佐々木 雅也
1
,
清水 尚一
1
,
小山 茂樹
1
,
馬場 忠雄
1
1滋賀医科大学第2内科
pp.1323-1325
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903742
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ポイント
●高齢者の消化性潰瘍症例では,基礎疾患の有無や服用薬剤について十分な問診が必要である.
●高齢者の消化性潰瘍の成因として,胃粘液,血流,プロスタグランディンなど防御因子の低下が重要である.
●高齢者の消化性潰瘍は,心窩部痛などの自覚症状に乏しく,消化管出血で発症することが多い.
●高齢者の消化性潰瘍の治療としては,非高齢者と同様に,H2ブロッカーやプロトンポンプインヒビターなど胃酸分泌抑制剤が有効である.
●高齢者の消化管出血では,動脈硬化性変化や併存疾患に対する抗凝固薬の使用などにより止血困難例が多く,循環不全になりやすい.
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