これからの医療と医療制度・18
在宅医療
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.1234-1235
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903722
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平成4年に改正された医療法で,「医療提供の場」に関する規定が大きく変更された.それは,従来から「医療提供の場」とされていた「病院」や「診療所」などの医療施設に加え,「医療を受ける者の居宅等」も新たに含まれることになった点である.その意味するところは非常に大きく,国や都道府県などの行政機関が地域の医療供給体制を整備しようとするとき,病院や診療所などの医療施設を想定した対応だけではなく,「患者の居宅における医療」,つまり「在宅での医療」も同じ位置づけで検討する必要性が生じたものと解釈できる.
法律は,国民の生活や行動などを一律に規制するものではなく,むしろ行政機関に対し「すべきこと」や「してはいけないこと」を定めたものである.したがって,医療法に今回新たに明記された「患者の居宅等」における医療は,医療提供の場として今後重点的に整備しなければならない責務が行政の側に生じたと考えてよい.
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