これからの医療と医療制度・7
医療保険のしくみ
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.1589-1590
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902880
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わが国は,昭和36年より医療保障制度としての国民皆保険が実現し,国民は一人残らず何らかの医療保険に加入している.この医療保険,わが国では健康保険と呼ばれているが,大きく分けてサラリーマンなどが加入する「被用者保険」と,農家など自営業者が加入する「国民健康保険」とがある.そして70歳以上の老人医療は老人保健法による医療として,この両者を基礎にした共同事業で行われており,わが国の医療保障制度の基本的枠組みは,上記2つの健康保険に大別される.
被用者保険は「職域保険」とも呼ばれ,給与所得者本人とその家族が加入し,全国民の2/3がこれでカバーされている.被用者保険には,大企業または業界団体で結成した健康保険組合が保険者となっている「組合管掌健康保険(組合健保)」と,中小企業の従業員などを対象に政府が保険者の「政府管掌健康保険(政管健保)」とがある.その他に公務員の共済組合や私学共済,また船員保険などもあるが,これら被用者保険の保険料は,各健保組合の財政状況に応じた保険料率を毎月の給料に乗じて算出され,これを労使双方で折半し負担している.
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