医道そぞろ歩き—医学史の視点から・3
大海に小舟で乗り出すごとく
二宮 陸雄
1
1二宮内科
pp.1236-1237
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903723
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嘉永2年(1849年)に杉田成卿が出版したフーフェランドの「医戒」は,蘭学に関心をもつ各地の医者の心を揺すぶりました.訳者の成卿は「蘭学事始」で有名な小浜藩医杉田玄白の孫です.父の杉田立卿(りゅうけい)も小浜藩医で西洋流の眼科医でした.
杉田玄白らの「解体新書」出版の話は有名です.玄白が最初の「腑分け」から45年後に語った「蘭学事始」には当時のことが記されています.玄白はすでに83歳ですから,記憶違いもありますが,それでも彼らの驚きと苦心が迫ってきます.
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