今月の主題 内科臨床における心身医療
疾患・症候をどう診るか
自律神経失調症(不定愁訴症候群)
中野 弘一
1
,
松崎 淳人
1
,
中島 弘子
2
1東邦大学医学部心療内科
2横浜相原病院心療内科
pp.1111-1112
発行日 1995年6月10日
Published Date 1995/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903691
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ポイント
●多臓器にまたがる不定愁訴を呈する身体化障害と一つの器官の愁訴が中心となる身体表現性自律神経機能不全は,いわゆる自律神経失調症の一つのタイプであり,比較的治療抵抗性である.
●不安を主症状にした全般性不安障害や,不安,抑うつどちらともつかない不定愁訴を訴える混合性不安抑うつ障害は,心理的配慮の下で少量の抗不安薬,抗うつ薬を服用すると改善を認めることが多い.
●臨床検査で異常を認めない症候に対し,心理面への評価に目を向ければ,経過や予後を予測しつつ治療にあたることができる.
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